RASクライアント

L2TP/IPsecによるRASクライアント(リモートアクセスクライアント)機能を提供します。

1. 仕様概要
項目
RASクライアントインタフェース数の上限 1
暗号アルゴリズム等の調整項目(IPsec適用の場合) システムにプリセット
2. IPv4/IPv6対応状況
機能 IPv4 IPv6 備考
RASクライアントインタフェースの接続
RASクライアントインタフェースでの送受信 ×
3. デフォルトの動作状態
機能 状態 備考
RASクライアントインタフェース 無効

利用可能なリモートアクセスサーバ

IIJ SEILシリーズのリモートアクセスサーバ(PPPAC)機能への接続が可能です。他のリモートアクセスサーバとの接続は動作を保証しません。

PPP

PPPの認証にMS-CHAPv2を使用します。

MPPEをサポートしません。

MTU

インタフェースのMTUに1500未満の値が設定されている場合はMRU Optionにより対向に通知します。デフォルト値(1500)の場合は通知しません。

LCPキープアライブ

  • キープアライブパケット(LCP Echo)を一定間隔で送信し、3回連続でキープアライブに応答が無い場合にPPPの再接続を試みます。
  • キープアライブパケットの送信間隔は設定により変更できます。また、キープアライブが不要の場合は無効化できます。
  • 切断後は6秒間隔で再接続を試行します。

TCP MSS調整

インタフェースの入出力パケットのTCP MSS値を調整することができます。詳細は「TCP MSS調整機能」を参照してください。

NAT Traversal

NAT環境下からのL2TP/IPsec接続のために、NAT Traversal機能を使用できます。

NATによるローカルアドレスの書き換えの検知を有効化すると、自動的にNAT Traversalを有効化します。

  • IPv6のNATには対応していません。

IPsecによる通信の保護

IKEの事前共有鍵を設定すると、接続先との通信をIPsecで保護します。
  • IPsec/IKEのパラメータはプリセットされた値を使用します。
4. IKE Phase-1プロポーザル
DHグループ 暗号アルゴリズム ハッシュアルゴリズム ライフタイム
MODP2048 AES256 SHA-1 8時間
MODP1024 AES256 SHA-1 8時間
MODP1536 AES256 SHA-1 8時間
MODP1024 3DES SHA-1 8時間
MODP1024 3DES MD5 8時間
5. IKE Phase-2プロポーザル
PFSグループ 暗号アルゴリズム メッセージ認証アルゴリズム ライフタイム
なし AES256, AES128, 3DES HMAC-SHA-1, HMAC-MD5 1時間
6. IPsecセキュリティポリシー
送信元IPアドレス : ポート番号 送信先 : ポート番号 プロトコル AH ESP モード ポリシー
自身のIPアドレス : 1701 any : any UDP なし あり トランスポート IPsec必須
any : any 自身のIPアドレス : 1701 UDP なし あり トランスポート IPsec必須
7. IKEの調整項目
項目
鍵交換モード メインモード
ポート番号 UDP 500, 4500
値の同一性確認の厳密さ イニシエータに従う
INITIAL-CONTACTメッセージ 送信する
自己識別子 IPアドレス
相手識別子 IPアドレス
Nonce値の大きさ 16 bytes
DPD(Dead Peer Detection) 無効
パディング値のランダム化 有効
パディング長のランダム化 無効
ランダム化したパディング長の最大値 20 bytes
パディングの末尾のパディング長の検査 無効
パディングの末尾のパディングに自身の長さを含める 有効
再送回数 5回
再送間隔 10秒
Phase-1のタイムアウト 30秒
Phase-2のタイムアウト 30秒
1回の送信で送るパケット数 1個